「へぇ。意外と普通」

「…」


ナナは腕時計を見て

おっ、と声を漏らした。


「んじゃーお昼行ってくるわ。

昼休み中に書類製作済んだら

あそこのイタリアン来てよ。

目印はイケメン店員」



私はパソコンから目を離し、

苦笑を浮かべてナナを見る。



「んまぁ終わんないと思うし、

イケメン店員の観察ひとりで

楽しみなよ」


ナナは軽く笑って

オフィスを出ていった。



ナナの後ろ姿が見えなくなってから

私はため息をついた。



おでんもたまごも、

お姉ちゃんの好物だ。