そんなことを思い出しながら、

タイピングをする。

思い出して、

舌打ちした。



「お~こわっ」

見ると、

田中くんが

コンビニの袋を持って

立っていた。



「あぁ、あの~ほら。

思い出し舌打ち?」




田中くんは軽く笑って

袋からスイカバーを取り出した。


「食べる?」


「いらない。

てか、冬でも

それ売ってるんだね」



田中くんはまた、

軽く笑った。








私はまたパソコンに向かって

また、舌打ちをした。




なによりあの日、

家出するのに

『死』を利用したお姉ちゃんが、



そして、

それらすべてを前にして

どこか冷めている自分が

たまらなく嫌になった。