嗚咽が喉を這い上がる。

生き物の様にぬるぬると動き、

私の口を目指して

喉を這い上がる。





「うぅ…」







【ヤッター!口の外に出られたぞー!!】


嗚咽がはしゃぐ。







「うぅ…」



ゆがんだ世界の中で

あんぱんはまだ私を見下ろす。

【…娘……】







「ううぅぅ…」





足に力が入らない。

肩が意思とは関係なく上下する。

私はくずおれる。




部屋の中央の

パンが、

ハンバーグが、

異臭を私に向ける。




「うぅっ…うッ……ッッッ!!!!」