「初めまして。よろしくお願いします。」

低音の声が脳内に響く。

心地がいい。

…ふっと我に返り、挨拶をする。

「は、初めまして…笹原凪沙です。よろしくね。」

にっこりと笑ってみたけど確実に引きつっていたと思う。

だって鼓動が早いんだもん。

こんなんで勉強教えられるのかな…

彼に向かってニコっとしてみたけど、彼は顔が引きつっていた。


私の不自然な笑顔がいけないのかな。