夜九時…。

裕(今日は散々だ…。早く家に帰ろう。あの2人を自殺に見せかけて殺した時のことをリアルに思い出してしまった。
でもストレス解消には最高だったなぁ…。)

裕人の前に1人の人影が現れた。

裕(…?っ!?)

裕「みっ美樹ちゃんっ!こんな夜遅くにどうしたの?」

美樹「ちょっと買い物にでも行こうかな?と思ってさー…。」

美樹は両手を後ろに回している。そこには何があるかわからない…。

美樹「ねぇ?」

裕「え?何かな?」

美樹「死の世界ってどんなのだと思う?」

裕「っ!?さぁ…わからないな…。」

裕(この子は何だっ!?)

美樹「じゃあさ…。教えてあげようか…?」

裕「っ!?何を言い出すんだい?」

美樹「お父さんとお母さんと同じ所に行けたらさ…私からの伝言伝えてよ…。[お父さんとお母さんの最後の願い……やっと叶えられそうだよっ]ってさ…。まぁ罪を犯したあなたにはお父さんとお母さんと同じ所は無理か…。」

裕「どうして僕が殺されなければならないのかい?」

美樹「…?あなたが2人を殺したから…。」

裕「ちっ違うっ!?僕はやって無いんだっ!ただその場にいて…。」

美樹「楽しかったんでしょ…?」

裕「っ!?」

裕(聞いてたのか…っ!?)

美樹が両手を前に出した。やっと手に持っているものが見えた。

っ!?

裕「けっ拳銃っ!?」

美樹「大丈夫…。一瞬で送ってあげるよ…。」

裕「でっでもこんな住宅街から近いところで拳銃なんてぶっ放したら誰か来ちゃうんじゃないかい…?」

美樹「あなた何も分かってない…。この拳銃の先についているもの分かる…?」

その拳銃には先に黒い筒のようなものがついている。

美樹「これ…サイレンサーっていって大きな音が出ないようになるんだよ…?だからこんな所じゃ誰も気付かない…。ドンマイ!さよなら。」

ピシュッ

そこには力の抜けた裕人が目をつむりながら死んでいた。美樹は裕人に笑いかけて、拳銃を握らせた。

美樹「これであなたも自殺だよ?」

はめていた手袋をはずしながら家に帰っていった…。