街の時計台が、一気に午前０時を伝える。


ボーン　ボーン　ボーン・・・


「よっし、今日も活動しようかな・・・・」


怪しげな、高さのある黒い帽子に黒いスーツ、その上には黒いマント。


何もかも黒に統一した男が、またまた黒いバイクに乗って今日もまだまだ明るい街の中をビュンビュンと走る。


「とりあえず、裏路地から行こっかな」


余裕ぶった顔してそいつはにぎやかな街を抜け、店と店の隙間に入る。


次々と落ちている空き缶やビンやらドラム缶やら、すべてガンガン音を鳴らして蹴って進む。


「相変わらず、つまんねーの」


そいつは、ボソッとこの一言を残して、壁によしかかり、缶コーヒーを飲んだ。