「滝川、すっげーおひさー」
ゆるりと笑って滝川君に挨拶した金髪君。
「……お、おう」
さっきまで私に言い寄って来た勢いは消え、滝川君はどこか気まずそうな表情を浮かべた。
ちなみに滝川君はいかにも運動部です!って感じで爽やかだ。
背もバスケ部だからか高いし。
少し様子が変わった滝川君にもう一度ゆるーく笑って、金髪くんは次に私を見る。
「……えっと、確かー。御村夏奈ちゃんだっけ?」
笑顔を向けられたものだから、つい頭をさげてしまう。
……って。あれ?
「……何で、私の名前……?」
こんなイケメン見たら絶対忘れないと思うから、これが初対面だ。
ふいに思った疑問を口に出してしまった。
すると金髪くんは一瞬固まった。
…………あれ。私、変なこと言った…?
いや、言ってない。
「え、?……は?」
金髪くんの表情から笑顔が消え、思いっきり顔をしかめられた。
………こっちが、その反応をしたいんですけど。
って言っても、今まで練習してきたなるべく泣き顔にならない笑みを必死に浮かべる。
初対面の人に自然体の顔を見せれば色々言われちゃうから、なんとか笑顔を浮かべ続けないといけない。
絶対私、他の人よりも表情筋が鍛えられてると思う。


