本当は知ってたの。

聞いたわけじゃないけれど、彼のあたしを見つめる瞳が全てを語ってた。


それでも構わない。

たとえ偽りのものだとしても、必要としてくれる人がいるという事実があたしを支えていたはずだった。

なのにどうして人は多くを求めてしまうのだろう。

どうして与えられるものだけで満足できなくなるのだろう。

もっとあたしを見て欲しい、あたしだけを見て欲しい。


できることならば

あたしを、愛して。