「…かずく~ん!起きて~?ご飯食べよう?」

「あ~!分かったよ!!」

重たい体を起こしてリビングへ。

ー ブーッブーッ… ー

「もしもし?おはよー。」

『おー、起きてたのか?』

電話の相手は俺の親父。
反抗期なんてなく、ずっと仲が良い。
母さんを亡くして、一人で育ててくれた唯一の親。

「杏奈に起こされたんだよ…」

「ちょっと?!」

『おぉ~(笑)そうかそうか(笑)ちょうどよかったよ。 莉子も聡太くんといるそうだ。みんなで今夜、飯にでも行かないか?』

莉子は、俺の双子の妹。
聡太は莉子の婚約者だ。

「いいな~。行こうか。」

『よしよし。また、連絡する。』