でも、予定通りに事が運びそうってなんだろう。

「私には関係のないことかな」

うん、きっとそうだ。

ひとり納得していると、目の前に車が停まる。運転席から大登さんが出てきて私の方に駆け寄ると、当たり前のように助手席のドアを開けてくれた。

「ほら、乗って」

大登さんは私の腰辺りに手を掛けると、車内へと促す。その一連の流れがスムーズで、大登さんはこういうことに慣れているんだと気づく。

そうだよね、大登さんは二十八歳の大人の男性。私に一年以上片思いしているって言ったって、それまでに女性と付き合いがないはずない。この助手席にだって何人もの女性が乗ったはず、だから慣れていて当然。

そうわかっているのに何故か胸の中がざわざわしていて、この現象は何だと首を傾げる。

「どうかした?」

いつの間にか車に乗せられて、大登さんは運転席からこっちを窺っている。

「いえ、なにも……」

どうかしたと聞かれても、自分の身体の中がどうなっているのかわからないから説明のしようがない。でも私に笑顔を向けてくれる大登さんに、胸のざわざわは少しづつ治まっていった。