大登さんとふたりで話し合った結果、私は大登さんのマンションで“強制的”に一緒に暮らすこととなった。最初からそうなることは予想していたものの、一歩も引かない大登さんに手こずったのは言うまでもない。

井澤のおばちゃんに報告すると、「薫子ちゃんも、とうとう大人の階段を登っちゃったのね」と意味ありげににんまりと笑い、でも「良かったじゃない!」と手放しに喜んでくれた。

「大人の階段?」

その意味がわからずおばちゃんに聞き返すと、小さな声で「大人の女になったってこと。当たりでしょ?」なんて言うから、私の顔は一瞬で真っ赤に染まる。

私の周りにいる人はみんな、大登さんをはじめ、おばちゃんや麻衣さんも、私を子供扱いし過ぎると思う。自覚はあっても他人に言われると、それはそれなりに落ち込むわけで。