自分の的はずれな想像に顔を赤くすると、大登さんが顔を覗き込んだ。

「薫子が望むなら、今すぐ抱いてもいいけど?」

「望んでません!!」

なんで大登さんは、いつも私の心を読むのだろう。私って、そんなわかりやすい顔をしてる? じゃないとしたら、彼は超能力者じゃないかと疑わざるを得ない。

「望んでないのかあ。それは残念」

残念なんて言っているけれど、からかわれている感満載。私を抱きしめていた腕を話すと、自分の席に戻ってしまう。

「さっさと食べて、出かけるぞ」

「えっ、あ、はい」

今日は大登さんの誕生日だと言うのに、一体何を買いに行くのだろう。なんでも付き合うつもりだったからごちゃごちゃ言うつもりはないけれど、勝手な大登さんには困ったものだと彼に気付かれないように溜息をついた。