大登さんが寝返りを打つと、その動きで目が覚める。

まだ気怠さが残る身体を、大登さんを起こさないように反転させる。時計を見れば、時刻は九時を回っていた。

まだ眠い──

それもそのはず。

私が眠ることを許してもらえたのは、窓の外が薄っすら明るくなり始めた頃。大登さんに髪を撫でてもらいながらウトウトし始めると、あっという間に眠りについた。睡眠時間は、四時間弱といったところだろう。

こんなに幸せな気分で目覚めたのは初めてだけど、こんなに疲れが取れていない目覚めも初めてで。身体の痛みと違和感に、自分が大人になったことを自覚する。

本当ならばもう少し、大登さんの隣で眠りたい。一日中このままでもいい……なんて思ってしまう。でも今日は、大好きな大登さんの誕生日。いつまでもグズグズしているわけにはいかない。