恥ずかしすぎる!!

大登さんから逃れようと身体をもぞもぞ動かすと、それに気づいたのか重なっていた唇がゆっくり離れた。

「大登さん! どういうつもりですかっ?」

「黙れってこと。もう一度、その口塞ぐか?」

「うぅ、それは困る……」

こんな時でも勝手な大登さんは気に入らないけれど、これ以上ここで辱めにあうのはごめんだ。

一旦ここは休戦と口をつぐむと、おとなしく引き下がる。

「やっと静かになったな。後でうちに帰ったら詳しく話すけど、今日はコイツ航平の誕生日でさ」

そう言うと大登さんは、航平くんを抱き上げヒョイッと肩車をした。「すっごく高い!」と大はしゃぎしている航平くんの笑顔に、私の心も癒やされていく。

「西垣さん、ごめんなさいね。大登からあなたのことは聞いていたんだけど、ちょっと事情があって話すのが遅れてしまって」

「姉さんは謝らなくていい。これは俺の問題だ」

「でも……」

申し訳ないと、私に頭を下げる坂下さん。

「大丈夫ですから、頭を上げて下さい。本人も言ってる通り、悪いのは全部大登さんですから」

ニコッと作り笑いをし、「ね?」っと大登さんを見上げた。