「幸ちゃんで大丈夫なの?」

母の心配そうな顔に、私も一抹の不安を覚える。

「母さんの“そっと見守るのもお兄ちゃんの役目よ”って言葉が効いてると思うし、なんとかなると思う」

できれば口うるさいけれどセンスのいい三男、勇三郎がいてくれたら良かったのだけど。

父は水まわり関連の工務店を経営していて、兄貴たちと一緒に働いている。基本土曜日は仕事だけれど、兄貴たちは順番に休みをとっていた。

今日に限って幸四郎が休みとは……。私も運が悪い。

とは言え誰もいないよりはマシと腹をくくり、朝ご飯を食べ終えると幸四郎が運転する車でショッピングモールへと向かった。