「ごめん。今の俺、どうかしてるよな。薫子、先に風呂入っていいぞ」
大登さんには珍しく自嘲気味に笑うと、私の頭をポンとひとなでしてからリビングへと戻っていった。
いつもとは明らかに何かが違う大登さんに、戸惑いは隠せない。でもそれがどうしてかわからない私は、大登さんに言われた通りバスルームに向かった。
身体と髪を洗い終えると、湯船に浸かる。ふ~と一息つくと気持ちも落ち着き、いろいろ考える余裕ができてきた。
それにしても今日の大登さん、ちょっとおかしい。もちろん私もおかしいとは思うけれど、大登さんはその上を行っている。何でも完璧にこなしてしまうと思っていただけにちょっと意外で。
「コンビニの話も流されたし……」
バスルームで呟いた言葉は、ふわっと湯気に包まれてしまう。
でもなんとなく、本当になんとなくだけど、私の中に大登さんの気持ちが伝わっている?
それがなんなのか言葉にはできないけれど、さっきから落ち着かないというか身体が自然に火照って仕方がない。
「お風呂に浸かってるんだから、火照るのは当たり前か」
よくわからない気持ちをかき消すようにバシャッと顔に湯を掛けると、すっくと立ち上がりお風呂から出た。



