「え、あ、カンパイ」
私もチューハイを開けると、慌ててそれを飲んだ。
「俺は明日も仕事だからそんなに飲めないけど、薫子は酔ってもいいからな」
「そっか、明日は仕事でしたね」
そう言えば個々の予定が書いてあるホワイトボードに、日帰り出張って書いてあったような。ちょっと残念。
「じゃあ私、やっぱり泊まらないほうが……っ」
まだ続きがあったのに、唇で塞がれてそれ以上は言わせてもらえない。
そっと唇が離れると、大登さんは熱っぽい視線で私を見つめた。
「今日は絶対、帰さない」
その熱のこもった瞳に、心臓がドクンと大きく脈打つ。
今までにも冗談めかして『帰るのやめるか?』と言われたことはあっても、こんなに熱く引き止められたのは初めてで。やっぱり麻衣さんに言われたこと、大登さんにはわかってるんじゃない?と疑いたくなる。
なんて答えればいい?
しばらく黙っていると、お湯が張ったことを知らせるアラームがその沈黙を破る。その音に驚き私が身体をビクッと震えさせると、大登さんも何かに気づいたのか私から少しだけ身体を離す。



