Strawberry DROP 新連載スタート

噴水の前のベンチに腰掛けて水しぶきを見ている

どうして上條蓮のこと・・・

あんなに大嫌いだったのに、いつの間にか好きという感情に変っていた

けなされ、バカにされ、大嫌いな奴だったのに・・・

どこでどうなったのか自分でも分からない

分かっていたら、好きになんてならないか・・・

気づきたくなかった・・・

できればずっと鍵を閉めたままでいたかった

私を抱き締めていた腕の感触が今でも私を狂わせる

♪♪♪~

「美沙・・・」

電話の相手は美沙だった

「もしもし」

「栞奈今どこ?」

「ごめん。寄り道してた」

「もぉー早く学校に来てよ。栞奈いないと寂しい」

隼斗くんいるくせに

「今行くよ。待ってて」

「わかったよ」

携帯をポケットにしまい、カバンを持つ

「やっぱ行かなきゃだめか・・・」

本当はこのまま帰ろうかなって思っていた

でも美沙の電話に出ちゃったし・・・

学校行くって言っちゃったしな

気温が上がっているせいか、太陽の熱が直に私の体に当たる

「暑い・・・」

校門の前の信号で口を開けて太陽を見ていた

「もう夏だ・・・」

信号が変り、焦らずゆっくりと渡る。校舎が近付くと私の心臓のドキドキが早くなる

「・・・ッ」

だから来たくなかったんだ・・・