私の好きな人 私を好きな人

夏合宿が終わってからも、私と蒼太先輩は今まで通りの関係を続けた。

関係…っていうような間柄でもないけど…。


蒼太先輩は相変わらず、私を
『さやえんどう』
と呼ぶし、飲み会の帰りにはちゃんとうちまで送ってくれた。

ただ、バイクには乗せてもらっていない。

一度、誘ってくれたけど、私は『バイトがあるから』と言って断ってしまった。
蒼太先輩のバイクには、もう乗ることはないかもしれないな、となんとなく私は思う。
前までのように、蒼太先輩の腰に腕を回すことは、もう出来ないから。



あの時、言えなかった本当の気持ち

『私は蒼太先輩の妹だなんて思ってません』

それは、結局口に出せないまま、私の体の中に居座り続ける。


なんてことない顔をしながら、
私は蒼太先輩の横で笑う。


言いたい言葉を胸にしまったままで。



宙ぶらりんな気持ちのままで。