『蒼太と紗耶香ちゃん、仲いいよなぁ…』

声がして、私たちが同時にり返ると、少し離れた場所から見ていた、隼人先輩たちが、ニヤニヤしながらやってきた。


私は、少しボーッとした頭を必死に動かした。


『そんなことないです』

『そんなことねーし』


蒼太先輩が私の手首を解放する。


『蒼太がそんなことするの、紗耶香ちゃんだけじゃん』

私は、もともと赤い顔がさらに真っ赤になるのを感じて、うつ向く。

どうしよう。
蒼太先輩が好きなこと、ばれちゃう。


隼人先輩たちも、よっていたんだと思う。


『わっ、紗耶香ちゃん、顔が真っ赤!!かわいいー!!』

『照れてる!!』

『なぁ、蒼太は紗耶香ちゃんのこと、どう思ってるわけ?』

穴があったら入りたい。

蒼太先輩の顔は恥ずかしくて見れなかった。

でも、困ってるのが伝わってくる。


なにか…
なにか言わなきゃ。