私の好きな人 私を好きな人

学食の外に出ると、蒼太先輩はくるり、と私に向き合って、


『お前さ、このあと講義あんの?』

と聞いてきた。


『あ、ありません…けど…』

『ふぅん。じゃあバイトは?』

『今日は休みです…』

『そ。じゃ、時間あるな。行くか』



と、言うとスタスタと歩き始める。


『あ、あのっ!どこへ?』

『は?お前、覚えてないの?』

蒼太先輩はスタスタ歩きながら、振り返る。

『な、何をでしょう?』


蒼太先輩は突然立ち止まると、肩を震わせて笑いだした。


『ちょ…まじで覚えてないの?』

『だから、何を、でしょう?』

『さやえんどうさ…』

『…は、はい』

『さやえんどうさ、昨日、俺にさぁ』

『…蒼太先輩に…』

『バイクに乗せて欲しいにゃん、って言ってたよぉー』



は、はい?




『バイクに…』

『そ、乗せて欲しいにゃん、だって!!』

『乗せて…』

『欲しいにゃん!』

『欲しいにゃん…?』