私の好きな人 私を好きな人

『花岡くん、今からカフェモカ教えるよ』

『はい!』



『花岡くん、発注の仕方、見ててね』

『はい!』



『花岡!テイクカップ取って来て』

『はい!』



『花岡!電話出て!』

『はい!』




『ハナ!』

『はい!』

『肩もんで』

『はい!』





ハナ、こと花岡哲平が私の初めての新人さんになって、三ヶ月。

ハナはみるみる成長していった。


私は目の前の男の子を見ながら、店長の人の見る目ってすごい、と思う。


最初会ったとき、いかにも今時の男子高校生だな、と思った。

肌が私よりきれいで、茶色の柔らかそうな髪を寝癖みたいにツンツンと遊ばせている。


根性がありそうなタイプではなかった。
どちらかと言えば、遊び人風でクールな印象。

すぐに辞めちゃうかな、と私は思った。


その予想を、ハナは見事に裏切って、今では私の一番のお気に入りだ。