『紗耶香!!』


私を呼ぶ声がして振り向くと、大学の門のところで、スーツ姿の蒼太先輩が手を振っている。



今日は私の卒業式。


私は蒼太先輩に駆け寄る。


『紗耶香、卒業おめでとう』


私は笑う。


あれからも、私と蒼太先輩はずっと一緒だった。
ケンカもした。
別れ話も出た。

でも、私たちは一緒に歩いてきた。




『いこっか』

『うん』



これから、私たちは、二人で私の生まれた島へ行く。


今ごろ、お父さんとお母さんは家中をピカピカに掃除してるだろう。




私はこう言う。



お父さん、
お母さん、



この人が私の



『好きな人』



と。




end