蒼太先輩と目があって、私は急にドキドキする。


蒼太先輩は、自分の首の後ろに手を置いて、照れ臭そうに話し出す。


『あのさ、紗耶香。』

『ん?』

『前に、誕生日に紗耶香が欲しいって言ったけどさ。』

『うん』

『なんか、誕生日だからって、無理させるみたいになるからさ、やっぱ…いい』


私は蒼太先輩の言葉に思わず微笑む。


『蒼太先輩。』

『ん?』

『無理なんかしてない』



私の言葉に、蒼太先輩が私を見る。


『無理なんかしてないから…』


私は、蒼太先輩にそっとキスをする。



蒼太先輩が、私を抱き締める。

私は静かに目を閉じる。