飲み会の帰り道、私と蒼太先輩は手を繋いでゆっくり歩く。

『じゃあ、お先に失礼します。お疲れさまでした。』


一見、しっかりしてる私だけど、蒼太先輩と二人になったとたん、気が抜けて、

『そうたぁ、お月さまがきれいだねぇぇ。ちゅうしたいにゃん』


…とか言う…らしい。


『酔ってる紗耶香もまじかわいい』


蒼太先輩はそう言って笑う。


私のマンションに着くと、蒼太先輩は私を部屋まで送り、ちゃんと鍵をかけたことを確かめて帰ってしまう。


私は時々、寂しいな、と思う。