「俺は信じるよ。」


お父さんが言った。


あたしも…あたしも…信じる!


「俺さ、父さんと母さんに引き取ってもらえてよかったよ…。本当にありがとう…!」


颯真は微笑みながら言って、頭を下げた。


そして上げた後、隣にいたあたしの手を握った。


一瞬とまどったけど、伝わってきた。


颯真…お父さんたちに言うんだね…?


「あと1つ、大事な話があるんだ。」


真剣な面持ちで颯真は言う。


ドキドキ…


緊張してきた…。


「なんだ?」


「俺は…夏依が好きだ…。だから血がつながってないのが悲しいと思う反面うれしかった。」


颯真の言葉を聞いて、お父さんたちは驚かなかった。


「知ってたさ…。」


「「え…!?」」


知ってた!?


「夏依の気持ちは知らないが、颯真の気持ちには気づいてた。颯真…お前だいぶ前から夏依のこと想ってただろ…?」


颯真は答えなかったが、顔を赤くしていた。


そうなんだ…。


「お父さんはね、本当はもっと早くに真実を言おうって言ってたの。でも…あたしが止めてきた…。ごめんね…。」


お母さん…謝らないで?