家に着いて、あたしたちはお茶を飲みながらくつろいだ。


35度を超える猛暑。


我が家のリビングは窓を閉め切りクーラーをつけた。


セミの声も聞こえずテレビもつけず…静かな雰囲気の中、颯真は言い出した。


「父さん、母さん、俺たちが血つながってないって本当?」


え…?


お父さんはまだ颯真に話してないし、あたしだって言ってない。


「あぁ…そうだ。でも颯真…なんで知ってるんだ?夏依か?」


「ち…違うよ!」


あたしは否定した。


「夏依から聞いたんじゃないよ。父さんたちから…かな。」


颯真の言ってることがわからない…。


どういうことなの…?


「颯真…俺は話してないぞ?」


だよね…?


「信じられないかもしれないけどさ…俺、意識戻るまで幽体離脱してたんだ…。」


「ゆ…幽体離脱!?」


あたしは思わず声をあげた。


「幽体離脱して…とりあえず家に行ってみようと思って着いて…リビングに来たらさ、みんなが話してたんだ。その話を。」


幽体離脱して…聞いてたってことだよね?


そんなことってあるの!?