「実は…夏依と颯真は…俺たちの子供じゃないんだ…。」


…え…?


お父さん…今なんて言った…?


あたしと颯真が…お父さんとお母さんの子供じゃない…?


確かにそう言ったよね…?


「お父さん…本当なの…?」


嘘だよね?


嘘って…冗談だって…笑って言ってくれるよね?


「本当なんだ…。今まで黙っててすまなかった…!」


お父さんは笑って言ってはくれなかった…。


そんな…あたしたちは血がつながってないの?


涙がこみあげてきた。


「夏依は施設から引き取ったんだ。俺たちが里親として…。」


施設…ってことは…


あたし…捨てられた子なんだね…。


「引き取ったのは夏依が1歳になったばかりの頃だったよ。」


じゃあ捨てられたのは1歳未満…。


「2歳になる頃に…もうすぐ1歳だった颯真を引き取った。」


「颯真も施設の子?」


あたしはとっさに気になったことを聞いた。


「いや、颯真は違う。母さんの親友の子供だったんだが…夫婦が事故にあってな。」


事故…颯真は捨てられたわけじゃないんだね。


よかった…。


あたしだけじゃなくて颯真もだったら悲しすぎるもん…。