看護師さんに颯真に今日会うことはできないから帰ったほうがいいと言われ、あたしたちは心を落ち着かせるためにも家に帰った。


家に帰って、あたしたちはほとんど話すことはなかった。


あたし自身はずっと颯真の意識が戻るようにと祈っていた。


たぶんお父さんたちもそうだったからだと思う。


その日、あたしは眠りにつけなかった…。


次の日…


「夏依、ちょっといいか？」


朝ごはんを食べ終え部屋に行こうとした時、お父さんに言われた。


「いいけど…何？」


「話があるんだ。座ってくれないか？」


話って…颯真のことかな…？


そう思いながら、あたしはリビングにあるイスに座った。


「今言うのはおかしいかもしれない。でもな…今回のことがあって思ったんだ。人間はいつ死んでしまうかわからない。だから生きてるうちに言っておこうってな。」


お父さんは寂しげに言った。


何なの？


今言うのはおかしいかもしれない話って…。


生きてるうちに言っておこうって思う話って…。