あたしはお姉ちゃん、彼は弟。

約1時間後…


『手術中』


このランプが消えた。


あっ…!


「お父さん!お母さん!手術終わったよ…!」


あたしはランプが消えたことに気づいていなかったお父さんたちに言った。


ガラッ━


さっきの青山先生の他にもう1人男の先生が出てきた。


颯真は…颯真は助かったの?


「颯真くんは…一命をとりとめました。」


助かった…!?


本当に…?


「先生!本当ですか!?」


お父さんが聞くと先生は静かにうなずいた。


颯真…頑張ったね…!


もう止まっていたはずの涙がまた溢れだした。


同じ涙でも今度のは嬉し涙。


「しかし…」


先生たちは複雑そうな顔をしている。


え…?


しかし…何?


「意識が戻るまでは安心できません。」


ど…どういうこと…?


「頭を強く打っていますので、障害が残るかもしれません。」


障害…かぁ…。


颯真の命が助かっただけでも…よかった…。


そうだよね…?


「わかりました…。ありがとう…ございました…。」


お父さんがそう言って礼をし、あたしたちも続いて礼をした。