あたしはお姉ちゃん、彼は弟。

「手術の助手をしております青山です。容態を伝えに参りました。」


ゴクン…


あたしはつばを飲み込んだ。


颯真は…いったい…。


「颯真くんは大変危険な状態です。事故時の出血多量が大きいです…。今、心肺機能も低下しております。」


よくわからないけど…かなり危険なんだね…。


「颯真は…颯真は助かるんですか!?」


今まで放心状態だったお母さんが聞いた。


「我々は最善を尽くします。しかし…助かる確率は半分もないかもしれません…。覚悟はしておいてください。」


そんな…覚悟しなきゃいけないくらいなの…?


でも…颯真なら…颯真なら大丈夫だよね?


また…笑顔見せてくれるよね…?


あたし…信じてるから…!


「先生…颯真をよろしくお願いします!」


あたしは先生に深々と頭を下げた。


そんなあたしを見たお父さんたちも、頭を下げた。


「…わかりました。では…。」


先生はそう言ってまた手術室に入っていった。


颯真…頑張れ!


あたしはイスに座り、祈った。