そう言って颯真から携帯をもらおうとした時、携帯はあたしが届かない位置まであげられた。


「颯真!携帯返してよ!」


ジャンプするがとれない。



20cmって…高いな…。


「もう!颯真!」


「城山って…誰?」


シ…ロ…?


「な…なんで颯真がシロを知ってるの!?」


シロのこと言ったことないよね…?


「メールきてたけど?」


メール!?


ま…まさか!


「メール見たの!?」


颯真はため息をついて言った。


「…んなわけねぇだろ?メールきた時の画面に『城山』って書いてあったんだよ。」


あ…そっか…。


「だよね!颯真が中身見るわけないか!」


弟を疑ったらいけないよね…!


「で、城山って誰?夏依の彼氏?」


颯真…!?


真顔でなんてこと聞くのよ…!


お姉ちゃんのあたしを呼びすてにする生意気な弟に…ここはぎゃふんと!


「告られたの!明日返事するつもり。」


あ…ぎゃふんとなら『彼氏』って言っとけばよかったかも…。


しくった…。


ちょっと後悔していると、颯真はあたしに携帯を返しながら言った。


「夏依はそいつのこと好きなの?」


え…?