「お父さんは残業だから遅くなるって電話きたの。颯真も遅くなるならお父さんみたいに電話してほしいわよね~!」


お母さんの言う通りだよ…。


颯真も携帯持ってるんだから電話できるはずなのに…。


「夏依…?」


あたしは颯真が気になって手が止まっていた。


「あっ!ごめん!ボーッとしちゃった…!」


嫌な予感がする…。


この予感がどうか当たりませんように…。


しばらくしてご飯の準備が整い、あたしとお母さんは食べ始めた。


「「いただきます♪」」


今日のメインはロールキャベツ♪


お母さんのロールキャベツは本当においしくて、あたしも颯真もお父さんもみんな大好物。


なのに、みんな揃わないのって…寂しいなぁ。


お母さんと色んなことを話しながら半分くらい食べ終えた時…


プルルルル…プルルルル…


家の電話が鳴った。


お母さんが立ち上がり、電話をとった。


この電話が…あたしたち家族の気持ちをどん底に落とした。


事実が信じられなかった…。


いや、信じたくなかった…。


でも…受け止めなければならない現実だった…。