「颯真!」


あたしは颯真の『でも』の続きを遮った。


「心配してくれてる…?」


あたしの言葉を聞いて、颯真はあたしに背を向けた。


颯真…?


沈黙が続く。


やっぱり聞かない方がよかったかな…?


「…てる…」


「え…?」


颯真が何か言ったけど、小さくて聞き取れなかった。


「すっげぇ心配してる!」


背を向けた状態で颯真は言った。


あたしの胸のドキドキは速くなる。


想像以上にうれしかった。


あたしは颯真の背中に抱きついて言った。


「ありがと…颯真…。あたし…本当に大丈夫だからね…!」


颯真はあたしを一旦離し、あたしの方を向いた。


「わかった…。気をつけてな…。」


颯真は言い終えると、あたしにキスをした。


優しくてあったかいキスを…。


落ち着く…そう思ったのも束の間だった。


「…んっ…」


深く激しいキスへと変わった。


そ…颯真…!?


あたしにとってこれは初めて体験するキスだった。


ただただ呆然とするだけのあたし。


でも、特別な感じがしてよかった…。