「夏依?今まで俺は弟と見られてて当たり前だったんだ。だから都合よすぎなんかじゃない。」


颯真はあたしに語りかけるように優しく言う。


「それに…」


颯真が止まった。


それに…何?


「俺にとっては奇跡だから…。」


え…?


「きせ…き?」


「うん…奇跡。さっき言ったけどふられると思ってたのに、夏依がああ言ってくれた…。うれしいよ…!」


そう言って颯真はあたしに笑顔を見せた。


ドキッ…


「本当に…あたしなんかでいいの…?」


あたしはあたしたちが姉弟だってことを少しの時間忘れて…こんなことを言った。


「夏依がいいの!…夏依も俺でいいの?」


逆に聞かれるとは思ってなかったあたし。


でも…答えは決まってる。


「もちろん♪」


あたしは微笑みながら言った。


その瞬間顔が熱くなった。


たぶん顔赤いよ~…。


「あはっ♪夏依かわいい♪」


颯真はそう言いながら顔を近づけて、そっと唇を重ねた。


ファーストキスの相手は…弟…


でも…すごくすごく…幸せでした…


姉弟なのに恋愛…


これは罪ですか…?