「瀬田くんっておもしろいのね」 そう言うと彼はその言葉で我に返ったかのように一生懸命何かを伝えようとしてしどろもどろした。 「え…あ……え?矢野さん?」 きっと何故私が此処にいるのだろう。とでも言いたいのか口をパクパクさせてこちらを見ていた。 「鍵。瀬田くんだけだと心配だからって先生が私に見てきてくれるように頼んだの」 ちょうど閉めるはずだったであろう音楽室の鍵を摘みあげて彼に見えるようにゆらゆら揺らす。