私が長瀬くんに恋をしたのは、高1の夏。

体育終わりで顔洗いに行こうと廊下に出たとき、誰かとぶつかってうっかりタオルを落としちゃったんだ。
そしたら、長瀬くんがそのタオルを拾ってくれて、私とぶつかった人は3年生だっていうのに
「おい、謝れよ。ぶつかってんだろ。」
「さーせん。アハハハハ」
3年生は完璧バカにしてる感じだったけど、長瀬くんがすごくいい人だって知った。


私はこの一瞬で、長瀬くんに恋をした。


1分もたたないくらいのこの間で。
片想いってすごいなって思った。

それから私は長瀬くんにアピールするわけでもなく、クラスに会いにいくわけでもなく、ただただ長瀬くんの後ろ姿を見つめていた。
でも、気付いてほしい。
わがままだってことわかってるよ。


だけど。


ほんの少しでもいいから長瀬くんに近づきたい。
喋りたい。