『エンマが心の闇を見るのなら、私は人の心の中の光を見る』
ノアは静かにそう言った。
『ほんの小さな偽りさえも、そこに悪意があればそれは闇に染まってしまう』
ノアは何を言いたいのだろうか。ルミの言葉に偽りがあるとでも?そう思いかけた時、ノアはルミの心を読んだように優しく語りかける。
『いや、そうじゃない......昔から思っていたが、本当にルミは“光”そのものだな』
「え、」
『影の部屋への行き方を教えよう、きっとルミなら大丈夫だ。あの方にもお前が必要になるだろう』
「ノア、いいのっ!?教えてっお願い!」
『着いて来い』そう言って歩き出すノアの後ろ姿を追いながら、ルミは先程のノアの言葉に僅かにだが、疑問を感じていた。
(『昔から』と確かに言っていた......どういう事?)
この世界にやって来て数ヶ月。
ノアに出会った時、何かを追っていると言っていた。
私の事を《白亜の女神》と呼んだ。
一体ノアは何を知り、何をやろうとしているのだろう。
たくさんの疑問を抱えながらも、ノアを疑おうとは微塵も思わなかった。
ルミはノアの後を追った。



