窓の淵に寄りかかり、至極穏やかな表情で二人を見つめるシェイラ。
同時に彼の頭を支配するのは、ルミによく似た小さな少女の姿だった。
幼い頃のたった一人の友達の姿。
もうこの世にはいない。はっきりとした記憶がなければ、顔もぼんやりとしか思い出せない。
だけれど、唯一、雪のように白い髪と、名を『ルミ』と言ったということだけは覚えていた。
ユニコーンと戯れている彼女が、シェイラの前で初めて名を名乗った時は本当に驚いたものだ。
『ルミ』が蘇ったのかと錯覚した。
だが、それはありえない。『ルミ』の死は、己の目でしっかりも確認したのだから。
しかし、こうやって毎日見れば見るほどよく似ている。幼かった『ルミ』が死なずに年を重ねていれば、今目の前にいる彼女のようになっていただろう。
そう、思えるほどに、似ていると感じさせた。
内心、『ルミ』の生まれ変わりではないかとさえ思っている。そうであればいいなという願望も込めて。
「可愛いなぁ......」
『本当ですねぇ』
ついつい、心の声が漏れてしまう。エンマも律儀なものだからそれに答える。
ルミはこの国に来てから日が経つにつれ、よく笑うようになった。少なくともノアと過ごしているこの時間だけは。



