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「......ふぅ、」

(流石に、キツイな............)



 オーリングは森の中を歩きながらそう感じていた。



 この森は王都への近道になるのだが、なにせ舗装もされてないただの獣道、加えて睡眠もろくに取れていない疲労感が溢れた体だ。



 普段なら難なく歩ける道なのだが、今回は少しばかりきつい。息は上がり、体を気だるさが襲う。



 次第にその足は進まなくなっていった。



(これじゃ、効率が悪すぎる...)



 村を出発した当初のオーリングの予定ではそのまま歩き続けて2日半で王都に到着するはずだったのだが、今の調子だと確実に三日はかかる。



(............やすもう)



 しばらく歩いたあと、漸くオーリングはその判断に至った。



 オーリングは辺りをきょろきょろと見渡し、進行方向から右に逸れたある方向を見つめた。



 この森は彼にとってもはや庭。何度も歩き回って来たためどこに何があり、どちらに向えば王都に到着するのかが完全に把握できているのである。



 オーリングは水源に向かって歩き出していた。



 この森にはいくつか水源が存在しており、その中でも一番大きな水源が近くにある。オーリングはそこで休憩を取ることにした。



「はあっ、はぁ...っふぅ............」



 少し行くと川のせせらぎとともに水面が木々の間から除く。



(ついたぁ!!)



 ボスんとバックをおいて座り込み息を整える。



 「.........ふぅ、」と呼吸と落ち着けながらゆっくり上体を倒し、地面に寝転んだ。



 ふと思う。ここは綺麗だ。



 険しい山故に人の手が伸びてこないから全てが自然にのびのびと生きている。



 水も土も草も木も。やっぱり、ここが一番心の落ち着く場所なのだ。



 せせらぎが耳に心地よい。



 連日の疲れと寝不足がどっと溢れ、オーリングは知らぬ間に瞳を閉じて夢の中に落ちていった。