居場所がない

「これ何?」
海賊船を指して担任が聞く。

わたしは、答えられなかった。

「何って聞いてんの」
担任が、少し苛立った声でもう一度聞く。

「春日は、そうなんだよなあ。声小さいし、手も挙げないし暗いから人寄り付かないんだよなあ」

わたしの心に、ギリギリとアイスピックで傷がつけられていく。