あの頃の君へ




「へぇ~、実家暮らしの時より綺麗にしてんだね」



あぁ、神様……。


私のこのお人好しは将来役に立つのでしょうか。


結局、あの子犬のような瞳で見つめられ私は頷くしかなかった。



もうっ、馬鹿!!



「なぁ、みのり」



「何?」



何か温かいものでも淹れようと、キッチンに立っていると拓真が後ろから声をかけてきた。



「もしかして、まだ男いないの?」



「はっ!?いきなり何よ!」



「……ふーん。いないのね」