あの頃の君へ



た、助かった……



「あの、ありが」



「バーカ」



はい?



下げていた頭を上げると、そこにいたのは……



「たっ、拓真!?」



「なに一丁前に襲われてるわけ?」



いやいやいや、そこは違うだろ。



「……久々の再会なのに……」



「あーそうだったな。俺のこと恋しかった?」



「はぁっ!?」


ハッ!そうだ、忘れていた。



拓真と私は家が隣同士で、いわゆる幼なじみだった。



だが3歳も年下のコイツに可愛げなど全くの皆無である。



拓真の両親は共働きで忙しかったから、私が夕飯を作ると、「俺の方が上手いんですが」



幼なじみのよしみでプレゼントをあげても、「センスなさすぎません?」



極めつけは、忘れもしない、拓真が両親と一緒に海外に引っ越す事になった時だ。