「みのり」
「あれ?拓真……どうしたの?」
「どうしたって……お前なぁ」
グレーのパーカーを着てポケットに手を突っ込んで、拓真は気だるそうな表情を向けた。
「な、何よ」
少し後退ると拓真は「ん、」と手を伸ばしてきた。
「え?」
「いーから」
そう言って私の手を取ると、ギュッと握りしめて歩き始めた。
「なっ、何!!」
「迎え。こんなにバイト遅いと思わなかったから。朝バイト先聞いておけば良かったんだけど」
……何なのよ。
突き放したり、優しくしたり。
「あれ?何ニヤニヤしてんの?」
「し、してないし!てか何で手繋ぐのよ!」

