それは、8年前。私が7歳のとき。
お母さんが教えてくれた。
「このペンダントはね、お父さんがお母さんにプレゼントしようとしていたものなの。
お母さんとの結婚記念日。4月7日。あなたの誕生日の前日。」
「でも、さくらにパパはいないよ?」
「パパはその日に事故に遭ったの。出勤しようとしたときにトラックにはねられた。
病院に運ばれてね、もう、意識は戻らないって言われたの・・・・」
今でも覚えている。
どんなときでも泣かなかったお母さんが初めて泣いた。
「なのにね、病院のベンチにいた私のところへあの元気な姿で来たの。
不思議でしょう?
そのときに、これをくれたの・・・。
そして、私のお腹・・・。お腹の中にいる葵と寝ていたあなたに向かって言ったの。
ごめんな、って・・・・。
パパが泣くのを初めて見た・・・。」
何だか知らないけど涙が出てきた。
私には確かにパパがいて愛されてたんだなって。
「そのあと・・・じゃあなって言って行っちゃった。
追いかけようと思ったけど、足が動かなかった。
そして、私がパパのベットまで行ったらお医者さんに亡くなりましたって言われた。
パパの顔は穏やかだったわ。これをくれたときの顔だった・・・。
ずるいよね、パパ。私にありがとうも言わせてくれなかった・・・。」

