※榛名 鷹視点※



陽が昇って、陽が沈むまでの間。

俺たちはいつも同じことを繰り返している。



「市郎くん、市郎くん」

「なにかな、鷹くん」

「刺激が足りないとは思いませんか」

「さぁ…?よく解んね」

「平和すぎってのも考えものだよなー」



芦原 市郎(アシハラ イチロウ)、榛名 鷹(ハルナ タカ)。
小、中、高…と鬱陶しいぐらい続く腐れ縁。

もういい加減断ち切ってやりたい。

でも俺、コイツ以外に友達と呼べる人間がいない。人と関わるのって、凄くHPが削られて疲れるから極力避けたいんだよね。


「刺激ねぇ。唐辛子でも食ってれば?」

「いや、そういう刺激じゃなくてね」

「じゃあ犯罪でもしてこいよ。ほら、学校の横にある駄菓子屋あんだろ?あそこのババァよく寝てるから、万引きしてもバレねぇよ。レッツ万引き」

「ちょ、市郎くん最低だわ」


雑誌をペラペラ捲り読みながら、涼しい顔で言い放つ市郎。

我が幼馴染み、なんて恐ろしい思考の持ち主だこと。



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