「何があったの?」


タツミが聞いた。


オペレーター達が、それに答える。


「研究所上空に、正体不明の巨大なジュオームエネルギー反応が急にあらわれました!」


「す、凄まじい反応です!これはまるで、太陽レベルの……、いや、まさか……それ以上!?」


「七百メートル上空に反応の元を発見しました。モニターに映します」


巨大モニターに映された光景を見て、タツミとオペレーター達はとまどいを顔に浮かべた。




モニターには、ひとりの少年の姿が映っていた。


黒いスーツを身につけた、十六歳くらいの、白髪の少年だ。


ぞくりとするくらい、暗く美しい顔つきをしている。


少年は空中に浮かんでいた。静かな笑みを浮かべながら、八乙女研究所を見下ろしている。




「……子供?」


タツミが眉間にしわをよせる。


「所長!間違いありません!この巨大なジュオームエネルギー反応は、あの少年のものです!」