そんな会話をしてうる隙に人面手首が襲ってきた。
巨大な拳の形になり体当たりを食らわせてくる。
「よっしゃ、来いやコ……」
と言う前に、ラザガ修羅は殴り飛ばされた。そのまま崖に叩きつけられる。
しかし、すぐに体勢を立てなおし、走り出した。
そしてどうしたかというと……。
「ラザガァァァッ、パァァァンチッ!!」
また拳を繰り出した。また避けられた。そしてその隙にまた殴り飛ばされ、また崖に叩きつけられた。
「策郎てめえっ!ふざけんじゃねえぞ!」
豊作が怒鳴る。
「おれは真面目だぜ、オッサン。今度は違うやり方で行く。まあ、見ててくれ」
真剣な顔で策郎は笑った。そして叫んだ。
「ラザガァァァッ、ダブルパァァァンチッ!!」
ラザガ修羅は両腕でパンチを繰り出した。避けられた。殴り飛ばされた。崖に叩きつけられた。
タツミはパイロットの選別を誤ったと確信した。
「策郎……、どういうつもりだ?」
豊作の震える声が響く。
「パンチで倒したいんだよなあ。ほら、発進前に雄介にパンチをかわされたじゃん。だから、ちょっとパンチに飢えててさ」
「…………」
豊作は何も言えなくなった。
「豊作さん。このミジンコのごとき脳髄の男には何を言っても無駄なようですね」
「ああ?雄介?今何て言った?」
「今は喧嘩している場合じゃないでしょう。だいたい君という人間が分かってきました。いいですよ。じゃあ、あなたの望み通り、パンチで倒しましょう」
「おっ、雄介、話が分かるじゃねえか」
「しかし今度は確実に当ててもらいますよ。これ以上崖にぶつけられたら、さすがに酔いそうですからね。ぼくの言う通りにしてください。そうすればパンチを当てる確率は高くなります」
そして、雄介は簡単な作戦を話した。策郎は、その作戦を気にいった。
「なんか格好いいな、それ。よし、それで行こう」



