不気味なほど透き通った吉田の白い肌が、銀色の月明かりに照らされて。
「穏やかなのも好きだけど」
まるで、人間の世界に降り立った、冷徹な眼(まなこ)を持つ一匹の鬼のように見えた。
「恐怖による支配も、悪くないよねぇ」
此奴っ‼︎
殺気を向けられた俺は、すかさずに蘭丸を抱き抱えた。
吉田の傍らには、消えたはずの男が立っている。
相変わらず、物音一つさせない男には舌を巻く。
「その綺麗な顔に、印をつけようかな。君たちは俺らのモノだって印を、さ」
「ふざけるな。」
俺は蘭丸を抱えながら、吉田を睨んでそう言った。
「……諸伏(もろふし)、君は下がってな。俺一人で十分だよ」
諸伏……それがあの男の名か。
沖田先生並みの腕前をしながら、長州の過激派である吉田稔麿の配下。
それなのに、諸伏という名は聞いたことがなかった。
音もなく闇に隠れるのは、得意の得意って訳か。



