信念なら、俺にもある。
曲げられない信念が俺の中に。



だからこそ、俺は今此処にいる。



「……自分が先輩達よりも小さく見えて、醜ささえ感じました。持っていた信念さえ見失うのではないか……と不安に陥ることも」



そんな時、沖田先生が言ったあの言葉。



「『過去が希望をくれる』」



沖田先生は、そう言って笑った。



「沖田先生は、その言葉以外何も言ってはくれませんでしたが、俺はその言葉が頭からは離れなかった…」



過去が希望をくれる。



俺なりに考えて、沖田先生の言葉を解釈しようと試みさえした。



「……きっと、先生は俺に伝えたかったんだと思います。『自分達も、そんな過去があったからこそ、今の自分があって、周りに囚われずに前を向けるんだ』……って。そんな気がするんです」



土方副長は、黙って俺の話を聞いていた。



相槌も打たず、けれども俺からは決して目を離さない。



息を深く吸った。
胸の内に溜まっていたものが、はらはらと零れ落ちて、言葉に姿を変えていく。



「改めて、強くなりたいと思いました。誰よりも……強く」